【春、新生活、家族時間】週末は息子と過ごす川沿いの公園時間

この春、我が家は、日本での暮らしをスタートしました。
4月の桜の満開の時期も過ぎ、息子も新しい学校に少しづつ慣れてきて、新しい日常が少しづつですが、通常に感じ始めることができるようになったこの頃です。

■ 新しい環境に慣れることを最優先に

引っ越してきたばかりのころ、妻と話し合ったことがあります。
「週末は、できるだけ予定を入れずに、ゆっくり家族の時間を過ごそう」
息子に過度のストレスを感じさせないように、まずは新しい生活に慣れることを最優先にしようと決めました。

平日の慌ただしさとは対照的に、週末は家族のペースで。
私たちの週末は、そんなに慌ただしく予定を立てるようなことはせず、目的地とその日の目的だけを決め、日帰り小旅行をすることや、近くの公園に行ったりして過ごします。

■ 都会の中にある“自然”を求めて

お天気が良い週末は、息子と二人で自転車に乗ります。
目的地は、自宅から5分ほどでたどり着く川沿いの公園。

整備された遊歩道には、大きな木々が日陰を作り、春には川の両岸を満開の桜が咲き、芝生広場や小さな池もあります。
「都会の中でも緑と触れ合える場所」とでも言えるこの場所は、私たちの新生活に欠かせない存在になりました。

息子にとっては、広いスペースで思い切り体を動かせる貴重な場所。
私にとっても、静かに風に揺れる木々を見ながら過ごす時間は、何よりのリフレッシュです。

■ 公園で出会った“野生の住人”

初めてこの公園を訪れた日、思いがけない出会いがありました。
池のほとりで草を食む、見慣れない動物たち。

「カピバラ??」

小さな体にふさふさの毛。親子連れのようで、3匹かがゆったりと池の周囲を動いていました。
どうやらこの池に住み着いているようです。

家に戻ってから調べてみると、「ヌートリア」という種類の外来種で、繁殖力も強いせいか、日本各地の河川敷などで繁殖をしているようです。

雑食で、生態系を破壊する可能性もあるそうで、害獣している地域もあるそうですが、私と息子にとっては、新しい友人なので、彼らが平穏にこの池で生活し続けてくれればと思っています。

以来、息子にとって公園といえば「ヌートリアに会いに行く場所」になりました。
自転車を止めると真っ先に池へ駆け寄り、「今日もいるかな」とワクワクした表情で覗き込む姿。
たまに会えない日もあるのですが、その時は、「今日は、休憩中だね」と言い聞かせ、池を後にします。
まるで新生活の中で新しくできた友達に会いに行くかのようなその姿に、自然との触れ合いの大切さを改めて感じます。

■ 剣道の先生からのアドバイス

4月から息子は剣道を始めました。まだ竹刀も重たそうに見える9歳の身体ですが、本人なりに頑張っているようです。

そんなある日、道場の先生からアドバイスをいただきました。
「体力と足さばきを強化しておくと、剣道の上達も早くなるよ」

それ以来、公園へ行った際には、人が少ない広場の一角を借りて、軽いジョギングやステップの練習を始めました。
とはいえ、地味な動きばかり。息子としては面白みに欠ける様子。

でも、「先生が言ってたことだよ」と伝えると、渋々ながらも私の指示に耳を傾けてくれます。
まだ親の言葉が届くこの時期、こうした小さな「信頼の貯金」をしておけることが、私にとっては何より嬉しいことです。

■ 一緒に過ごせる今を、大切に

あと数年もすれば、息子にも自分の世界ができ、私と一緒に過ごす時間も自然と減っていくんだろうなと。

もちろん、それは成長の証であり、喜ばしいこと。
でも今、こうして私のペースに付き合ってくれる時間があるのなら、その時間を大切にしたい。

ジョギングに乗り気でなくても、ヌートリアに会うのが楽しみで公園に来てくれる。
そして、草の匂いの中で、少し汗ばみながら一緒に走る週末。

特別なことは何もないけれど、そんな時間こそが、家族の記憶として静かに積み重なっていくのだと思います。